『残布を返す意味』

お客様の中には、「詰めて欲しかった寸法と、残布の長さが合わない」って言ってくる人がいます。

例えば、「ズボンの丈を10㎝詰めてほしい」というご依頼で、「残布が7㎝しかない」って、クレームではないですが、少し文句がある様に言ってくるお客様はいらっしゃいます。でもそれは、縫い代が入っている為です。

当たり前ですが、10㎝の詰め寸に対して、10㎝切ってしまったら、縫い代が無くなりますよね。ですから、お直し内容によりますが、残布は詰め寸通りに残る事はありません。普通は、詰め寸より短い残布が残ります。

「10㎝上げて欲しいって言ったのに、残布が10㎝もないのはなぜだ!」って言う、お客様には、「それは縫い代が計算に入っているからですよ。」とお答えします。残布は、ご依頼通りにお直しした証拠ですので、当店では必ずお返しします。お直し屋が残布を返すのは、そういう意味があるからなんですよ。