洋服お直しとは、「異常」状態にすること⁉

今年も店の前の紫陽花がキレイに咲きました。毎年変わらず巡ってくるものですね。

今回は、何を今更って感じですが、洋服お直しについて少し説明しようと思います。

私達が扱う洋服お直しとは、「元通りにする」、いわゆる復元とは違います。洋服の場合だと、買った時と同じ状態に戻す事という意味になると思いますがそれとは大きく違います。

「修理」や「修繕」、「修復」などを辞書で調べると「手を加えて正常にする事」とあります。洋服お直しでもこれらはよく使われる言葉ですが、正直どれも洋服お直しの的を射ていないと思います。

そもそも「買った時と同じ状態」=「正常」ならば、洋服お直しは「異常」を作り出す事だと言えます。買ったばかりの洋服はお客様の身体にピッタリかと言えば、ほとんどそうではないです。つまり、お客様の身体に合わせて手を加えるという事は、洋服からすれば「異常」状態なのです。言い方を変えれば、「改造」されて元に戻らない状態です。不思議ですね。

洋服お直しの正体は、「お直し」が持つ言葉のイメージとは逆に、元に戻すではなく、元に戻らない状態に変えてしまう事です。